サロベツの大地とあなたを結ぶ

平成27年11月1日
豊富温泉活性化協議会 平成27年度「元気な湯治プロジェクト」体験プログラム事業として、3年ぶりの歴史探訪ツアーとなる「とよとみ歴史探訪ツアー 豊富町の歴史をさかのぼる一日旅」を実施しました。
豊富町の歴史を学びバスで史跡を巡るイベントで、湯治等で豊富温泉に滞在中の方や稚内市・豊富町にお住まいの地域の方など20名にご参加いただきました。当法人アウトドアガイドの山元をメインガイドに、豊富町発展の礎を築いた日曹炭鉱で開山から閉山までお勤めされた新田昭さん、豊富町郷土研究会の野口多美治さんのお二人を語り部に迎えて、豊富町の歴史を現在から過去へと遡る旅となりました。

まずは、豊富温泉自然観察館にて、豊富町郷土資料室からお預かりした縄文~擦文時代の石器や土器などの実物もご覧いただきながら、北海道の歴史の流れと、豊富町の歴史の概要を屋内レクチャー。続縄文や擦文、オホーツク文化やアイヌ文化といった本州とは全く異なる北海道特有の歴史の流れを初めて知って驚いたというお声を多数いただきました。

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豊富町内から出土した縄文式土器

そして、戦後の豊富町の発展を支えた日曹炭鉱跡地へ。最盛期には現在の豊富町全体の人口に匹敵する4千人ほどの人口があったという炭鉱街ですが、現在は建築物等はほとんど残っていません。しかし、当時の写真や語り部の新田さんはじめ当時の様子を知る地域からの参加者のお話、地形や植生、水路に無数に転がっている石炭などから往時の姿を思い描きました。

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日曹炭鉱一坑坑口跡にて

お昼は豊富温泉に戻ってお昼休憩。ニュー温泉閣ホテルさんより、ツアー申込時に予約いただいた方限定で、特別メニュー「エゾシカすき焼きランチ」をご提供いただきました。臭みなく味わい深いサロベツの鹿肉にみなさん感激。お肉を食べた後、割り下にご飯を入れておじやにして鹿肉の旨味を余すことなく堪能される参加者の方もいらっしゃいました。

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おいしいサロベツのエゾシカ肉

お昼を挟んで、明治時代豊富町に最初の開拓の鍬が下された地、兜沼へ。兜沼地域で生まれ育った野口さんのお話を聞きながらバスで移動し、旧兜沼郵便局を見学しました。この建物は昭和9年の建築で、宗谷地域に残されている建築物としてはおそらく最古のものでしょう。明治36年に入植した最初の開拓者梅村庄次郎氏が局長を務められ、奥の母屋は梅村氏の邸宅となっていました。現在は兜沼郷土資料室として、主に戦前からの昭和時代の史料・民具などが展示されています。当時の民具に懐かしむ方から初めて見たと驚く方まで、参加者みなさんの年齢層や出身地によって様々な思いを抱かれたようでした。
また、長年兜沼の歴史を見守ってきたイチイの巨樹「言問の松」(北海道指定記念保護樹木)も見学し、次の史跡へ移動しました。

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旧兜沼郵便局

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言問の松

それから、時代を一気に遡り擦文時代(7~13世紀ごろ)へ。豊富町内には擦文時代の遺跡は多数見つかっていますが、ほとんどがすでに開発で失われていたり深い森の中にあって気軽に見ることができなかったりします。そんな中、手軽に行くことができる唯一の擦文時代の住居址群「清明I遺跡」へ。小さな林の中に無数に点在する穴ぼこを、当時の生活を思い浮かべながら見学しました。

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清明I遺跡の住居址から。ここでキャンプしたら快適??
(この写真は北海道新聞の中橋記者よりお借りしました)

そして最後にサロベツ湿原センターにて、夕暮れに染まる空と一面黄金色の枯れ野原となった湿原を眺めた後、豊富温泉へと帰りました。
一日ご参加いただいたみなさん、語り部のおふたりはじめ開催にご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。

※当日の模様を平成27年11月2日の北海道新聞留萌・宗谷版に掲載いただきました。

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ヨッシー