- 2021年06月17日
- 植物
サロベツ湿原最新開花情報+木道のようす210617
たくさんのお問い合わせをいただいておりますエゾカンゾウの開花状況ですが、今日現在3分咲きといったところでしょうか。今年のピークはここ数年より少し遅く、6月下旬~7月初旬頃となりそうです。
木道わきでは初夏のお花が咲いています。
一気に眩しい陽光を浴びるようになった木道では、遠くからエゾハルゼミの賑やかな鳴き声が聞こえます。
緑色がどこまでも広がる湿原に、オレンジ色のエゾカンゾウと、濃紫色のカキツバタの共演が華やかです。
長かった冬のモノトーンの世界にいた私たちにとって、鮮やかな色彩が目に入るのはこの上ない喜びです。
今年も会えてありがとう。
湿原の奥で、エゾシカがこちらを見ていました。大好物のエゾカンゾウの花を食べに来ているのかもしれません。
6月2日の朝、サロベツでは氷点下となり遅霜の被害が一部ありましたが、ほとんどの蕾はかろうじて生き残ったように見られます。茎が曲がっているのはその遅霜のせい。たくさんのド根性蕾たちは、このあと6月末にかけて開花することと思います。
水辺ではカキツバタが綺麗です。優美で気品がある姿は、古より日本人に愛されてきたことを改めて感じられます。
上空ではオオジシギが盛んにディスプレイ飛行をしていました。春にオーストラリアから渡ってきて、夏にこちらで繁殖を迎えます。
白いお花たちも見頃です。可愛いカラフトイソツツジ。
線香花火のようなカラマツソウ。
コバイケイソウは、名前のとおりコバイ(小梅)のような花がたくさん集まっています。一説によると、花が咲きはじめるまでに何十年もかかるとか。
いろいろなサイクルと種類でこの世界を生きるたくさんの生物たち。静かだけれど、生命の輝きと奇跡のような瞬間を感じる木道です。
(早野)