【報告】ESDのためのKODOMOラムサール

  • 2014年09月10日
  • イベント報告

【報告】ESDのためのKODOMOラムサール

平成26年8月18日~20日、滋賀県草津市でESDのためのKODOMOラムサールが開催され、当法人のなまら!!サロベツ∞クラブ(以下なまサロと省略)から子ども2名が参加しました。今回は、日本最大の淡水湖「琵琶湖」と琵琶湖に面する草津市を舞台に、琵琶湖の自然と人々の暮らし、自然環境を守るための活動や湖の恵みを体験し、そこから湿地の宝や価値を探し出す活動を行いました。 「ESD のためのKODOMO ラムサール」は、ラムサールセンターが国連の「ESD(持続可能な開発のための教育)の10 年活動」に賛同して行っている子ども湿地交流活動で、アジアと日本の湿地をフィールドに、子どもたちと一緒に「持続可能な地球のために」学び、考え、行動していく環境教育プログラムです。 これまでに日本のラムサール条約湿地をはじめ、中国、インド、タイ、マレーシアなどアジア各地の湿地を舞台に交流活動を実施しており、今年は、「ESD の10 年」の最終年にあたり、「ESD のためのKODOMO ラムサール<琵琶湖>」は、その総集編として、持続可能な社会・地域づくりをめざし滋賀県草津市と共催で実施されました。 今回は全国のラムサール条約湿地の中から、サロベツをはじめ、北海道宮島沼、宮城県蕪栗沼・周辺水田/化女沼、愛知県藤前干潟・東海丘陵湧水湿地群、福井県三方五湖、琵琶湖(湖北野鳥センター・びわっ子大使・草津市)で活動している子ども達総勢32名が集まりました。 IMGP6342 <1日目8月18日> ①まずは開会式とオリエンテーションです。子ども達は皆、これから何が始まるのか緊張気味です。 各グループに分かれて自己紹介ゲームして緊張をほぐしていきました。 IMGP6378 ②劇団シンデレラによるESDミュージカルを鑑賞。 劇団シンデレラは名古屋市の藤間干潟を拠点に活動しており、自然を守る人達やそこで活動している子ども達を応援するため、「生きものと人とのかかわり」を描いたショートミュージカル公演を全国各地またアジア地域で行っております。公演の最後はみんなでESDダンスを踊りました♪ IMGP6437IMGP6447 ※今年の10月12日、サロベツ湿原センターで公演が決定!こちらも宜しくお願い致します。 ③子ども達による各湿地の紹介と活動発表。 なまサロの2人はKODOMOラムサール<釧路>で発表した経験があったため、昨年より緊張せずサロベツ湿原の特徴と普段の活動について発表することができました。素晴らしいっ!! CIMG3322 ④柳平湖での淡水真珠養殖の見学。 国内の淡水真珠発祥の地で、水質悪化や安価な海外産の普及で衰退したため、地元住民が中心となり真珠養殖を行っています。母貝となっているイケチョウ貝を実際に中を開けて真珠を見ることができました。 IMGP6540IMGP6571 ⑤KODOMOラムサール会議1日目。 琵琶湖のお話ということで、ゲストスピーカーとして市長さんや食文化を研究している堀越さんという方のお話を聞き、琵琶湖について学びました。また、KODOMOラムサール会議のファシリテーター、中村大輔先生によるアイスブレイクゲームで、より子ども達同士の緊張がほぐれ、楽しく活動できました。 IMGP6597IMGP6651 <2日目8月19日> ①琵琶湖汽船「megumi」乗船。 megumiに乗り、琵琶湖散策に行きました。湖上では琵琶湖深層水を採取する体験を行いました。なまサロの2人は最北からやって来たからというご厚意により、採取に使う道具を投入できる体験ができました。琵琶湖の70m下から採取した水は透明度も高く、冷たくて美味しかったです。また、湖上からは海のように広い琵琶湖を見ることができました。 IMGP6672IMGP6699IMGP6709IMGP6744 ②琵琶湖博物館の見学。 琵琶湖博物館では学芸員さんから琵琶湖の生き物や文化、人々の暮らしについて解説がありました。解説後は30分という短い時間の中、館内を周りました。特に水族展示が1番人気で、琵琶湖固有種のビワコオオナマズ等を見ることができました。 IMGP6824IMGP6890 ③栽培漁業センターの見学。 琵琶湖にはオオクチバス、コクチバス、ブルーギルといった外来魚が生息しています。これら外来魚は人々の食文化に直結しているアユ、二ゴロブナ、ビワマス、ホンモロコの稚魚を食べてしまうことから、漁業センターで大きくなるまで育ててから琵琶湖に放流しています。ここでは実際に養殖している水槽を見学することができました。たくさんの稚魚が泳いでいるため子ども達は大興奮でした。 IMGP6903IMGP6922 ④北山田港での水揚げ見学。 宿泊施設からほど近い漁港で刺し網漁で水揚げされた魚を観察することができました。刺し網漁で捕獲した外来魚は専用の箱に入れられ適正に処分されていました。また実際に網に引っ掛かっている魚を取る作業を間近で観察することができました。後、漁港では鮒ずしも加工していることから一口試食会が行われ、食べることができました。独特の臭さと味のため子ども達の反応はいまいちでしたが、大人達は我先にと食べていました。 IMGP6964IMGP6969IMGP6997 KODOMOラムサール会議2日目。 2日目の会議はこれまで体験したことをふまえて、グループごとに琵琶湖の宝を決め、宝のイラストを描き、メッセージを決めました。1日の疲れを感じさせないほど、子ども達同士でしっかりと議論し、グループワークを行っていました。ここぞ!の集中力には驚かされました。 IMGP7012IMGP7016 <3日目8月20日> KODOMOラムサール会議3日目最終日。 最終日は前日のグループワークで決まった琵琶湖の宝、イラスト、メッセージを各グループごとに発表しました。そして全体会議の中で、子ども達それぞれで意見を出し合い、琵琶湖の宝、イラスト、メッセージを決めました。 IMGP7105 IMGP7130 IMGP7164 IMGP7182 IMGP7188 選ばれたお宝は、「琵琶湖の水」「県民の琵琶湖に対する愛情」「沖島」「固有種」「琵琶湖を守る人々のとりくみ」「湖魚食文化」となりました。メッセージは「歴史をもとにみんなで築こう未来の琵琶湖」に決まりました。 連日話し合って、練りに練ったことがきちんと形として。大人も感無量です。本当にお疲れ様でした。 IMGP7216 この活動は11月に名古屋で開催される、ESDユネスコ世界会議の中で報告されるそうです。 <まとめ> なまサロの子ども達はこの活動に参加して刺激を受けたようでした。 サロベツの違い、他地域の子ども達の知識量、交流を通してかけがえのない友達ができたこと等々。 自分たちはサロベツで何ができるのか?何を知る必要があるのか?まだまだ勉強しなくてはいけないと帰路の中で話しておりました。こういった活動には今後も参加し、子ども達の意識・知識の促進につなげていければと考えております。 全体的にはというと… 関わったすべてのスタッフのコーディネート力、子ども達の能力を引き出す声掛け等、とても参考になりました。また協働の取り組みということで市が全面的にバックアップしている体制や、関わっていた1人1人の職員さんの環境に対する意識が非常に高いなあと感じました。 今年から、なまら!!サロベツ∞クラブの活動には豊富町教育委員会の後援がつき、少しずつではありますが協働の取り組みが実現できてます。今後とも町や学校と連携した取り組みを実施していかねば!と改めて思いました。 遅くなりましたが、以上ご報告でした。 じゃいあん

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