「サロベツ湿原だより4月号」と、春の扉が開いた木道のようす
「サロベツ湿原だより4月号」です。サロベツにも日本で一番遅い春が訪れました。
今朝の気温は+6℃。すっかり(サロベツにしては)暖かくなりました。
一部新しくなった木道のようす、ご覧ください。
シーズン第1号の開花は「ハンノキ」です。地味ですが、開花しています。
雄花は尾のように垂れ下がり、黄緑色が見えるように開いてくると開花です。
一方、雌花は赤紫色のマッチ棒の先のような5mm程の小ささです。
このように同時に咲くと良いのですが・・・けっこうメンズ達が先走って咲きがちです。
「ワタスゲ」も伸びてきました。あと1週間くらいで咲いてくるかもしれません?
「ミツバオウレン」の葉が緑色に変わっていました。(花期:5月下旬頃)
※花期は例年の目安ですが、その年の気象状況により前後するかもしれません。
「ショウジョウバカマ」の葉も緑色になりました。(花期:5月中旬~下旬頃)
越冬したクランベリー。「ツルコケモモ」の実です。
まわりにはツルコケモモの葉以外にも、「ガンコウラン」の葉、「マンネンスギ」も見られます。
「ヤチツツジ」の葉は、まだ茶色でトンボのようにぱったりと閉じたままです。絶滅危惧IB類(EN)に指定されていますが、木道わきではけっこう見られます。(花期:4月末~5月中旬頃)
「カラフトイソツツジ」の葉はまだ閉じていますが、緑色に変わってきています。(花期:6月上旬~中旬頃)
夏に来るお客様に「ヤチボウズはどこで見られるんですか?」と聞かれますが、春先はまわりの草がまだ生えていないため、ポコポコと目立ってわかりやすいです。
ミズゴケもこれから青々としてきます。雪どけ水をたっぷり含み、潤って嬉しそうです。
「ミズバショウ」は、例年4月中旬頃から咲きはじめ、5月中旬頃まで見られます。兜沼公園のミズバショウも綺麗ですが、サロベツでは道ばたの水っぽいところでも普通に見られたりします。
なんと、「エゾカンゾウ」の芽もぽつぽつ出ていました!早い!(花期:6月中旬~6月下旬頃)。
「コバイケイソウ」の芽は、ワラのような囲いに包まれ、ぬくぬくと暖かそうです。植物たちのそれぞれの戦略は興味深いです。(花期:6月中旬~6月下旬頃)
木道上(林内~内周の一部)に雪が残ってる箇所がありますで、散策の際にはご注意ください。
また、雪どけ後の今時期、木道に段差がある箇所が出ますので、通行の際には併せてご注意ください。
春の澄んだ空の下、すがすがしい空気をいっぱい吸い込んで歩きました。動植物の目覚めの生命力を感じる早春の木道です。
(早野)
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