砂丘林の沼のそばでの砂採取

  • 2018年10月02日
  • 景観

砂丘林の沼のそばでの砂採取

8月3日に幌延町の海岸砂丘林にアカエリカイツブリがいました。 2羽でいましたが、雛の姿が見えないので、繁殖は失敗したようです。 カイツブリの幼鳥もいました。 このアカエリカイツブリなどが繁殖している沼は一見林に囲まれているように見えますが、実はすぐそばの国立公園外で砂の採取が行われています。 右の林の開口部は一部が伐採された部分、左の奥のほうはすべて伐採されており、沼が途切れています。 その奥の部分です。沼がなくなっています。 数年前の航空写真を見てみると、沼のすぐそばの採取跡地に池ができています。砂丘林の沼の水が抜かれた結果、形成されたに違いありません。 最近の航空写真ではこの池は干上がりましたが、沼の開放水面(濃い青の部分)が減っているのがわかります。 その奥の方にわずかに残された沼の部分です。反対側では砂採取作業が行われていました。 反対側の砂採掘現場では、砂丘林が削られ木が倒れたり立ち枯れしていました。 砂採掘跡地の沼の際はオオマツヨイグサやアメリカオニアザミなどの外来植物の宝庫になっていました。 採掘跡地ではヤナギが植林されていましたが、もともと生えていたのはおそらく、ミズナラなどの広葉樹やトドマツやアカエゾマツなどの針葉樹だったと思います。 この海岸砂丘林はその自然環境の重要性を考えるならば、本来国立公園(緑色の部分)の特別保護地区に入るべき場所です(東側は特別保護地区)。ここだけが飛び地のように国立公園から外れており、砂採掘だけでなく、風車の建設計画(黄色の丸)もあります。 風車建設計画について詳しくは こちら ここは重要野鳥生息地(IBA)にも入っています。 サロベツ湿原は地下水位の低下が問題になっていますが、砂丘林はサロベツ湿原を維持するにあたっての重要な役割を果たしています。国立公園もまわりとつながっていますので、国立公園内の自然環境の資質を保全するためには、国立公園外の自然環境についても考える必要があります。 長谷部

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